前回の記事では、サステナビリティと関連する用語の意味、企業活動との関連についてご紹介しました。今回は、サステナビリティページを制作・設置する企業が増えている理由や、実際に制作する要素例、具体的な取り組み例についてご紹介していきます。
目次
企業サイトにサステナビリティページが制作される理由
現在、世界で持続可能な社会の実現が重要視されています。企業でも、自社の利益追求だけでなく地球環境や社会に与える影響を考慮した戦略が求められており、サステナビリティへの取り組みを軽視すると企業イメージを落とすことになりかねません。
しかし逆に、会社のサステナビリティに対する誠実な取り組みを上手くアピールできた場合は以下のようなメリットが考えられます。
企業イメージと業績の向上
近年、投資家や消費者のサステナビリティへの関心が非常に高まっています。そのため、サステナビリティへの取り組みをアピールすることは、企業イメージの向上につながります。また、連動して顧客や取引先といったステークホルダーからの信頼が高まれば、商品売り上げアップを含めた業績の向上も期待できます。
優秀な人材獲得の可能性アップ
前述した通り、サステナビリティに取り組むことは企業イメージの向上につながります。企業イメージが向上するということは、自然と就職希望者が増える結果にもなります。また、職場環境への配慮が高い企業であることをアピールできれば、優秀な人材の獲得にもつながることでしょう。
他にも、Z世代の多くが大学のサステナビリティへの公約が進路選択に影響すると考えているという調査結果も出てきているようです。
先を見据えた採用活動という意味でも、サステナビリティページの制作は意味のあるものと言えます。
資金調達へのアドバンテージ
前回、ESGの解説で記述した通り、昨今、ESG投資が世界においてトレンドとなっています。そのため、サステナビリティへの取り組みに積極的な企業は、長期的な成長や持続性が高いと評価され、ESG投資による資金調達が受けやすくなる傾向にあります。
なお、取り組みを謳いながら実態が伴わない行為や過剰なアピールは「グリーンウォッシュ」「SDGsウォッシュ」(環境配慮やSDGsに対するごまかし行為)と見做され、こちらも企業イメージを落とす原因になります。そのため、焦ってやみくもに動くのは得策ではありません。
サステナビリティページの基本要素例
では、実際にサステナビリティページを制作する場合には、どのようなコンテンツが必要になってくるのでしょうか?
よくあるコンテンツ事例と流れをご紹介します。
トップメッセージ
トップメッセージ掲載の目的は、「会社一丸となって取り組んでいることを示す」「サステナビリティへの自社の姿勢を伝える」ということです。
サステナビリティへの取り組みについてのみ語られることが多く、会社概要ページなどのトップメッセージとは別に新しいメッセージを掲載できればベストです。なお、トップメッセージを掲載していない事例もありますので、諸事情でメッセージ作成が厳しい場合でも、サステナビリティページを制作することは可能です。
基本方針とマテリアリティ(重要課題)
基本方針とは、自社のサステナビリティに対する価値観と持続可能な社会を実現していくためにどのような行動をとっていくのかをまとめたものです。
そして、多岐にわたる環境問題や社会問題の中で「自社が特に注力すべき課題」が何かをマテリアリティ(重要課題)として掲載します。
具体的な取り組み紹介と数値データ(レポート・資料)
マテリアリティと目標に沿って行った課題解決への取り組みを紹介します。
取り組みとともに、レポートや資料、また数値データ(○○年までに100%目標、昨年度45%→今年度70%等)があれば、あわせて掲載するのがよいでしょう。
活動記録
活動記録は、企業が取り組みを継続して行っていることを示す場になります。
もし、前述した「レポート・資料」が「ESGレポート」「KPI達成状況」であれば、活動記録として、定期的に掲載・更新をすることが可能です。また、社会貢献活動などの記録を掲載すると、企業への親近感にもつながります。
「具体的な取り組み」の紹介
前述した「具体的な取り組み」の参考事例をご紹介します。
紹介する例は、取り組みを分類する場合に事例の多い、ESG(環境、社会、ガバナンス)の観点と、それぞれに関連するSDGsで整理していますので、そちらも参考にしてください。
E(環境)
環境配慮製品の製造・販売
メーカーなど、製品の製造・販売に関わる企業であれば、環境配慮製品を取り上げることが多いです。製品自体だけでなく、製造工程での廃棄物量削減や、輸送梱包のコンパクト化などもサステナビリティの取り組みとなります。
オフィス活動におけるペーパーレス化
帳票の電子化やWeb給与明細システム・タブレットの導入などです。経費削減や業務効率の改善効果があるとされるペーパーレス化は、サステナビリティの視点で見れば、紙の消費量・廃棄物を減らし資源を守ることになります。
また、これまで社内で書面を通しての作業が必要だった業務の電子化であれば、下記に挙げた「多様な働き方の推進(インクルージョン)」で、在宅勤務導入への整備例としている事例もあります。
S(社会)
ダイバーシティ&インクルージョン
多様な人材の採用(ダイバーシティ)と、その人たちの能力を最大限に発揮できる環境づくりや支援(インクルージョン)は、多くの企業が行っている、または行える身近で重要なサステナビリティへの取り組みです。
多様な人材の採用(ダイバーシティ)
- 女性の活躍推進:女性管理職の比率向上とそのための教育制度の設置
- 障がい者雇用の推進:障がい者雇用率の公表や障がい者の業務サポート機器の提供
- 外国人雇用の促進:外国人向け就活イベントへの参加
多様な働き方の推進(インクルージョン)
- 産休・育休取得の推進
- 時短勤務・在宅勤務の導入
- 介護と仕事の両立に向けた制度づくり
健康経営の推進
健康経営は、企業が社員の健康管理を経営的な視点で考え、その維持・増進に積極的に取り組むことをいいます。社員の健康のために以下のような取り組みを行っている場合に当てはまります。
- 定期健診の受診率100%
- 再診受診率向上のための産業保健スタッフとの面談の実施
- 全社員へのストレスチェック実施
- スポーツ活動への補助金制度
- 社員食堂で健康メニューを提供
社会に対する支援・貢献活動
地域密着型の企業などで行われていることが多いですが、本社のある地域の発展に寄与する活動(寄附など)などもサステナビリティの取り組みにあたります。また、学生への就労体験や出張授業なども貢献活動になります。
- 自社周辺の美化活動
- 周辺小・中学校の児童・生徒を工場見学に招待
- 学生への職場体験実習会を開催
G(ガバナンス)
コーポレートガバナンスの徹底・強化
各企業が掲げるコーポレートガバナンスの方針やその内容です。内容自体がさまざまなサステナビリティへの取り組みへとつながります。
- 企業の行動規範や倫理憲章の作成
- 社外取締役や社外監査役の設置
- 執行役員制度の導入
- 事業継続計画(BCP)の策定
以上の例から、直接的な取り組みでなくても「自社やその周りをより良くしよう」とするさまざまな活動がサステナビリティの取り組みへとつながる可能性をもっていることが分かります。
OS工芸社の提案・制作実績
OS工芸社はこれまで多くの各会社様に適したサステナビリティページをご提案してきました。
ここではその一例をご紹介します。
大和紡績株式会社様
会社としてサステナビリティへの取り組みを積極的にされており、コーポレートサイトにもサステナビリティのコンテンツが存在していました。
そのため、サイト全体を「事業を通してSDGs実現を追求し、社会の未来を変えていく姿勢」をアピールできるよう、コンセプトワードやメインビジュアルを含めてご提案しました。
株式会社オチアイ様
コーポレートサイトに新しくサステナビリティページの制作をご提案。棚卸ししていただいた取り組み事例を、企業理念に絡めたメッセージとともにまとめ、デザイン・コーディングしました。
今回の記事のまとめ
- サステナビリティの取り組みを上手くアピールできれば、企業イメージ向上や優秀な人材の獲得、資金調達のアドバンテージなどのメリットがある
- ペーパーレス化や健康経営、コーポレートガバナンスの強化など、さまざまな活動がサステナビリティの取り組みへとつながる可能性がある
サステナビリティページの制作は、上記のメリットから検討をお勧めするコンテンツです。この記事を皆様のサステナビリティページ制作の検討にお役立てください。
OS工芸社では、掲載内容の提案からコーディングまで一貫した対応が可能です。サステナビリティページの制作を検討される際には、ぜひご相談ください。
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